2005-12-09(Fri)

改稿中。

 ……と言っても一から書き直しですが。
 ラピスをもう少しまともなものにしようと模索中。
 一年前の小説なんですが、一言、すごい。
 数字も普通に2とか使ってるし、「きいきい泣いた」って、表現なに?(爆 
 一年前の私ってすごい、本当にこれ投稿したの?とか思いました。
 それに伴いもらった感想のログを読み返し、その方は普通の方なんですが(小説とか最近読んでないらしい) 
「全体的に面白かったよ」と、神様のようなコメントがありました。
 本当に世の中には優しい人がいるんだなぁと。
 それでこんなひどいネタを書き直すのもどうよ?とも思ってるんですが……。
 だって、新しいネタがないんだもん。
 あやふやなものばかりで、ちいっとも形にならないから、文章の練習として書いてます。
 せっかくですから、今日仕事場で書いた奴です。
 あー、ネタは変りませんので、面白くないです(爆
 
 私の家には神様が住んでいる。
 土臭く、湿気を帯びた冷たい家。薄暗い室内は必要最低限の家具しかなかった。
 毎日の暮らしは決して良いものでなく、私は空腹感を感じながら育った。
 仲の良い両親と兄たち。そして優しいおばあちゃんがいてくれたから、私は幸せだった。
大好きなおばあちゃんは毎朝、小窓に向かって神様に祈りを捧げるのが日課だった。
 その隣で幼い私もよく真似てどうか美人なお金持ちになれますようにと、心を込めて祈ったものだった。
 ある日の私はおばあちゃんに聞いた。
「おばあちゃん、どうしてあの窓に向かってお祈りをするの?」
 私は天井付近にある土壁でできた小窓を指さす。両手で隠すことができそうなほど、それは小さな窓で、人目には付きにくいように作られたようだった。
「あそこには大切な神様が住んでいるからだよ。
 この世が平和なのも神様のおかげ。香涼も神様を大切にしてね」
そう言って大好きなおばあちゃんは私のほっぺをくしゃくしゃな両手で挟み、もみくちゃにするのだ。おばあちゃんにとってこれが愛しい人をかわいがる仕草だった。
 それから私もおばあちゃんと一緒に祈ることが日課になった。
 決して開けられる事のない窓に向かって。

 ――私の願いはまだ叶ってはいない。




 新緑の香りが交じった風は身体から吹き出す汗を撫で、初夏の日差しは地上にいる全てのものに鞭を打つかの如く、燦然と降り注ぐ。
 透き通る青空と頂きに雪を残した山脈を背に王宮が鎮座し、首都、明建を見下ろしてい
た。幾重にも重なる城壁は、その都度街が大きくなり繁栄を謳歌している証でもある。
 石畳の大通りを馬車が駆け、煉瓦でできた家の軒先には収穫の喜びを表すかのように色とりどりの食物が並んでいる。
 私はその光景を羨ましそうに眺めながら、馬車乗り場を目指した。
 異例ともいわれた成績で首都明建にある士官学校に首席入学し、飛び級制度を利用して同じ年の子が九期生に対し、私は十三期生になっていた。
 だけど私が貧乏なのは変わらない。そしてたぶん首席で卒業したとしても、コネも金も無い私には、田舎の役人あたりが関の山だろうとも思っている。
 そう、世の中はなかなかうまく回らないものだと、常に身にしみて感じていた。
「香涼、おはよう」
 声に反応して振り向くと、親友の杏奈が近づいて来るのが見えた。同じ学校に通っていても学年が違うと会う機会は少ない。懐かしさとどこか大人びてしまった親友に違和感を感じながら、私は笑顔で迎えた。
「おはよう、杏奈。元気だった?」
 私は馬車の御者に旅の運賃を渡しながら、会えた喜びを笑顔に託すと、親友はその喜びに答えるようにして、私に抱きついてきた。
 柔らかな花の香りが私の鼻空を支配し、上半身は絹のようなしなやかさに包まれた。
 鼓動が一気に跳ね上がり、私の思考と全身が固まる。
 苦手だ。女の子独特のこの馴れ合いが私には苦手だった。顔を引きつらせながら、身体は逃げるように反り返る。
 緩やかな曲線を描く茶色い髪が女のしなやかさを醸しだし、潤う大きな瞳がほのかな色気を帯びて、女の私でさえドキドキさせられる。
 これが杏奈の武器なんだろうなっと、私は解放された喜びと共に親友の魅力を再認識した。
「そういえば香涼、もう今期でいよいよ卒業なんだね」
 会えた早々気にしていることを聞かれ、返事に窮する。
 卒業というのは、それまでに死にものぐるで職探しに明け暮れなくてはいけないと言う意味だ。今回の里帰りの目的はその為の資金調達であり、故郷での情報収集も兼ねていた。
 卒業まで五年ほどある杏奈にとっては、まだ遠い話であり、私に向ける尊敬と羨む想いを込めた目には、輝かしい将来しか見えていないのだろう。
 現実には成績が優秀だけでは意味がないのだ。
 何度自分の境遇に悔しく思っただろうか。報われぬ努力に恨みを抱いたことだって何度もあった。
 だがその一方で自分らしく暮らせるであろう、粗末な生活に安堵感もあり、慣れている田舎暮らしに対しては何の不安もなかった。
 やはり、私はそういう運命なのだ。
せっかくの再会の喜びが冷めぬよう、私は明るく無難な返事をして誤魔化した。理想と現実はいつでも違う。そんなことは言うまでもない。
 私はこぢんまりした鞄を持ち直して、木で出来た馬車に乗り込んだ。刺すような日差しから逃れた身体は、ひんやりとした木の香りに癒される。
 十人ほどがゆったり座れる馬車の中は、ほとんどが出稼ぎにきた人たちで埋まっていた。
 これからそれぞれの故郷に帰るところなのだろう、疲労の色が染みこみ生活に翻弄され続けた身体を労るようにして座っている。
 私は邪魔にならないように出口付近に座り、その隣に杏奈が座った。定員に満たない八人の乗客を載せ馬車が動き出した時、突如、笑い声と怒声が同時に響いた。
「本当だ、嘘じゃねぇよ!」感情が露わになった体格のいい中年のおじさんが立ち上がり、みんなに演説をするかのように、身振り手振りを交えつつ話し始める。
「最近暴れている、百煉党はラピスラズリを探しているんだ。あのおとぎ話は本当のことらしいぜ」
 私は何のことを言ってるのかがわからず、思わず聞き耳を立てておじさんに顔を向けた。 視界の隅で杏奈も視線を向けているのがわかった。

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