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2007-04-16(Mon)

まぁ少しずつ。

やっと用事も終わったんで、しばらくは専念したいなーとか思いつつ。
習作ばかり書いてないで、そろそろ読者さんを意識したお話も書いていこうかなとも思ってます。
あと、長編ね。
以前のものとか、構想中のものとかを書き出していくのもいいかもと。
一日24時間は短いー。
でも40とか50時間とかなったら、長く感じるんだろうな。
んじゃぁ、ボクをもう一人を作ったとしても、たぶん二人して同じことしかしてないと思うな(笑
だから、結局は一人でやりくりするしかないんだろうな~。
ふみゅり。

続きは以前書いたものを修正しただけの作品でつ。
「オフライン」

 オレはぼんやりと、水が舞う姿を見ていた。
 水の音はあっという間に雑踏に溶けていく。
 駅地下の噴水前。
 そこでは様々な人が思い思いに時間を潰していた。
 オレはそんな雑踏から背を向け、ただ水だけを眺めている。
 そんな時、傷だらけのオレの携帯が震えた。携帯のふたを開けて、新しく来たメールを読む。
『基樹ッス。もうすぐ噴水広場に着きます。ソードは?』
 オレは辺りを見まわし、それらしい人物がいないかと確認してから返信した。
『着いた。緑高の制服、噴水の前に座ってるヤツがオレ』

 きっかけはインターネットだった。
 オレの好きな作家のファンサイトで、基樹とはチャットで知りあい意気投合した。
 年が近いのと近所だったことを知ったが、一年以上ネットの中だけの繋がりだった。
 だが数日前、基樹から初めてメールが来たのだ。
『ども、基樹ッス。ソードが絶版本持ってるって聞いたけど、借りる事ってできないかな?』
 チャットの中では、貸し借りなどの言動は一切禁止されている。
 なのでこういったやりとりするはメールでするのが普通だった。
 そして絶版本はオークションでも数万の高値で取引されるものであり、正直、オレはどうするか迷った。
 未読の作品を読みたいと思う気持ちは、同じファンとして痛いほどよくわかる。
 そして一年以上チャットでのやりとりで、基樹という人物像には良い印象を持っていた。
 だからオレは条件付きで貸すことにした。
 目印のため、お互い制服で来ること。
 生徒手帳を見せて身分証明をしてもらうことが条件だ。
 こんなやりとりから、今日オレは初めてインターネットで知り合った人に会うことになった。

 
 水の踊りに飽きた頃、背後から見知らぬ声が聞こえた。
「こ、こんにちわ」
 すぐさま少女の声にオレは気がついたが、待ち人が男なので無視した。
「あの……すいません」
 やはりオレに話しかけているらしい。少し面倒に思いながらもやっと顔を上げた。
 目の前には同じ年頃の少女がいた。
 肩までのボブカットに淡いブルーの制服。細身のシルエットが儚げな印象を醸しだしている。
 見つめる大きな瞳はオレの心に深く印象付けた。
 艶やかな髪からほんのりとした甘い香りが、女性を意識させる。
 目もそらせずにいると、少女は笑顔でお辞儀をした。
「ソードさん、ですよね?」
「え?」
「あの、……基樹です」
「はぁ?」
「よく男と勘違いされるんですよね……」申し訳なさそうに、少女はつぶやいて、笑った。
 今まで何の疑問もなく、オレは相手を男だと思い込んでいた。
 チャットでは無難な話ばかりで、プライベートなことはあえて聞いたことはないが、違和感を感じる時は一度もなかったのだ。
 今まで考えていたことがすべて消去される気分だった。
 状況を理解してても、うまく思考回路が働かない。
 オレはやっとの思いで体の硬直を解くと、慌てて目を伏せた。
 かゆくもない頭を掻きながら、必死に言葉を考えていた。
「となり、いいですか?」
 少女の声にオレは頷いた。
 少し間隔をおいてから、少女は隣に座った。
 オレも座り直しながら、間隔を広げる。
 動悸で息苦しい。オレはどうしてここにいるんだっけ?
 オレはまだ頭を掻いていた。
 完全に頭の中は真っ白だった。
 息が詰まりそうな沈黙を破るように、目の前の噴水が湧きだした。 
「本、なんですけど……」
 探るような少女の声に、オレは慌てて持ってきた袋を突き出した。
 少女がそれを受け取る。年相応の少女の笑顔になった。
「ありがとうございます! わぁ、コレがそうなんすね、うれしい」
 恐々隙間から中身を覗く少女は、今にも泣きそうな顔になっていた。
 その姿を見て、オレもこの本を手に入れた時のことを思い出す。
 その時はすぐには読めず、読める喜びでとにかくうれしかった事を覚えている。
 少女もたぶん同じ気持ちだろうと思うと、喉に詰まっていたものが解けたように感じた。
 オレはうつむいたまま、やっとの思いで言葉を吐き出す。
「い、いつでも……いいから」
「そうっすか? ありがとうございます。
夢にまで見た作品が読めるなんてめちゃうれしいっすよ」
 チャットと同じ口調で話す声が、さらにオレの詰まっているものを溶かしてくれた。
「もう手に入らないからね、残念だけど」
「ソードさん、あの事件の絡みって言ってましたよねー、じゃぁ……」
「そそ、違う側面から書かれているんだけど、作者としてはコレがネックになってた部分もあるらしいよ」
「あの人の過去がわかるんですね!」
「うん、それと――」
 徐々にチャットと同じように、少女と話すことができた。
 一緒に笑い、共感する。
 気がつけば一時間もそこで話をしていた。それがなぜかおかしく感じて二人で笑った。
「あ、すいません。そういえば生徒手帳見せてなかったですね。今見せ――」
「あ、いいよ。基樹のこと信用してるし。せっかくだから、飯でも一緒に食いながら、続き話さない?」
「やったー! ホントっすか? うれしい」
 少女の笑顔を見ながら、オレは友人を作るきっかけをくれた作家に、心の中で何度も感謝した。

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